
いつも青年技術士支援委員会のブログをご覧いただき、ありがとうございます!
今回は、9月20日(土)に開催されたCPD行事「本質を見抜く“問い”〜技術者のための課題設定入門〜」についてご報告いたします。
【イベント概要】
本イベントは、技術士に求められるコンピテンシー(問題解決・コミュニケーション)の向上を目的に、誰も答えを持たない中から問題の真因を特定し、適切な課題設定を促す「問い」に焦点を当てて開催しました。
当日は45歳以下の技術士・技術士補・修習技術者27名が参加し、活発な学びと交流が行われました。

「問い」を知る
最初のパートでは、課題設定の基本モデルとしてAs-Is/To-Beモデルを学び、「問い」が私たちの視点を変え、目標をより本質的なものに導くことを体感しました。
また、物事を率直に捉える思考法や、あえて批判的に見る思考法など、問いを立てるための多様な視点を学びました。
「問い」をデザインする
続くパートでは、「AI・DXで競争力を強化せよ!」という漠然とした指令を題材に、問いを重ねて課題を具体化する演習を行いました。
曖昧な問題を「解くべき課題」に定義する6つのステップを学び、さらにグループごとに設定した課題を細分化。会議の参加者に「何をイメージ・体験してほしいか」を言語化し、議論を深めるための「問い」をデザインしました。

「問い」を使う
最後のパートでは、各グループがデザインした会議を他のグループに体験してもらい、作成した「問い」の有効性を評価し、フィードバックし合いました。
一連の流れを通じて、参加者全員が「良い問いとは何か」を実感でき、業務にも応用できる実践的な知識を得られました。

参加者の声
- 「ワークを通じて、どのような問いが良いか実感できた」
- 「問いの捉え方に加え、課題や会議設定の方法についてもフレームワーク化を意識したい」
などの声が寄せられました。

総括
「問い」により、問題の本質を捉え、解決への道筋を大きく変える力を持つこと。今回のイベントで、その可能性を少しでも感じていただけたなら幸いです。
もちろん、この「問い」の技術は、一度学んですぐに身につくものではありません。しかし、参加者の皆様が最後まで非常に熱心に課題へ取り組む姿を拝見し、私たちも大きな刺激を受けました。
今回の学びをぜひそれぞれの職場に持ち帰り、日々の業務の中で意識して実践することで、ご自身の揺るぎない力として昇華させていってくださることを心から願っております。
【次回予告】11月CPD行事のご案内
次回のCPD行事の詳細が決定しました!
テーマ:「行動経済学で切り拓く 技術者の新しい価値創出」
- 「自身の提案が、なぜか関係者にうまく響かない…」
- 「ロジックは完璧なはずなのに、人を動かすことができない…」
技術者として、このような壁に突き当たった経験はありませんか? その鍵を握るのが、人間の「心」の動きを科学する行動経済学です。
従来の経済学が「人間は常に合理的に行動する」と考えるのに対し、行動経済学は心理学の知見を取り入れ、必ずしも合理的とは言えない人間の意思決定や行動のパターンを解明する学問です。
この行動経済学の視点から、直感だけに頼らない「問題解決力」と「論理的思考力」を育み、技術者として新たな価値を創出し、社会に貢献する力を身につけませんか?
詳しい内容やお申し込み方法につきましては、後日改めて本ブログおよび日本技術士会のホームページにてご案内いたします。
ご興味がある方は、ぜひご参加ください!
皆様のご参加を心よりお待ちしております!
森 祐真 技術士(機械部門)