いつも青年技術士支援委員会のブログをご覧いただき、ありがとうございます! 今回は、11月15日(土)に開催されたCPD行事「行動経済学で切り拓く技術者の新しい価値創出」についてご報告します。
【イベント概要】
本イベントは、人間の心理や感情による「非合理的な行動」を講義やグループワークを通じて理解し、それを技術者の課題解決力に組み込むことを目的として開催されました。 当日は多くの若手技術者が参加し、個人ワークと議論により得た知識を積極的にアウトプットしました。
イベントの前半では、行動経済学の基礎や、技術士が行動経済学を学ぶ意義・適用事例を講義を通じて学び、知識を確認する時間です。 講義①では、従来の経済学が前提とする「合理的な人間像」に対し、現実の人間はバイアスや感情によって「非合理」に動くこと。そして、その非合理性にはある一定の法則があることを学びました。特に「体系的整理」のパートでは、断片的な知識ではなく、構造として行動経済学を捉える視点を得ることができました。 続く講義②「技術士と行動経済学」では、現実に起きたトラブルや現象を、業務と行動経済学の二軸で紐解き、そこから得られる教訓を共有することができました。

事例を理論にマッピングし「理解」する
その後、グループワーク①「行動経済学と事例のマッピング」を行いました。 学んだばかりの理論が、実際の社会やビジネスのどのような場面で使われているのか、あるいはどのような現象として現れているのかをグループで議論。 抽象的な知識を具体的な事例と紐づけることで、単なる知識の暗記ではない、実践的な「理解」へと落とし込んでいきました。

フレームワーク「BASIC」を「活用」し社会課題に挑む
グループワーク②では、いよいよ「活用」のフェーズへ。 題材は「放置自転車の撲滅」という身近かつ難解な社会課題です。 ここでは、BASIC(Behavior, Analysis, Strategy, Intervention, Change)というフレームワークを用い、罰則や物理的な撤去といった従来の手法ではなく、人の心に働きかける解決策を考案しました。
「どうすれば自発的に駐輪場を使いたくなるか?」 「自転車を放置してしまう心理的ハードルはどこにあるか?」 技術的なアプローチだけでは見えてこない側面に対し、各グループからユニークかつ鋭いアイデアが次々と飛び出しました。
総括
今回のイベントを通じ、「気づき・理解・活用」の3ステップで行動経済学を体感したことで、参加者の皆様の課題解決の引き出しが一つ増えたのではないかと思います。 明日からの業務において、技術(ロジック)と行動経済学(心理)を掛け合わせ、これまでにない新しい価値を創出していただけることを期待しております!

【次回予告】12月CPD行事のご案内
12月のCPD行事の詳細を連絡します。 テーマ:「”振り返り”で未来を拓く!若手技術者のための自己成長ワークショップ」
“振り返り”=リフレクションとは、自分の経験・内面を客観視し、新たな学びを得て未来の意思決定と行動に生かすことです。本CPDでは、このリフレクションを使って自己理解を深めキャリアの可能性を広げることを狙いとして開催します。詳細が決まり次第、本ブログにてご案内いたします。 皆様のご参加を心よりお待ちしています!